そろそろ暑さのピークがやってくる季節。暑くなりそうな日は、熱中症対策を万全にしておきたいものです。具体的な熱中症対策としては、塩分や水分の摂取が推奨されますが、両方とも過度な摂取には気を付けましょう。塩分が多すぎることで引き起こされる中毒(食塩中毒)がある一方で、塩分が少なすぎることで起こる「水中毒」もあります。
水中毒とは、水を大量に飲むことにより、血液中のナトリウム濃度が極端に低下することによりおこります。低ナトリウム血症の症状です。
大量に水を飲んだ後に手足がビリビリとしびれたり、皮膚を押して跡が残るようなむくみが出た場合などが、危険信号の目安。これがひどくなると、激しい嘔吐や尿失禁が起こります。気温が高い現場で長時間仕事をしている人は水中毒の症状を引き起こしやすいといわれています。汗でナトリウムが流出しているのに、喉の渇きをいやそうと、大量の水を飲んでしまうからです。簡単に低ナトリウム症を引き起こしてしまうのです。
運動時や入浴後などは水分補給が必要ですが、飲みすぎには注意しましょう。私たちが生きていくために欠かすことのできない「水」。人間には1日に2Lの水分が必要などとよく言われますが、普通に生活しているだけでも、それくらいの水分を失っているからです。「下限の1.5リットル」という数字も覚えておいてください。水中毒より、脱水症状の方が恐いからです。水中毒は「よほどのこと」がないと起きませんが、脱水症状は無意識に陥っていることがあるからです。「多飲はNGだけど、1.5リットルは必ず飲まなきゃダメ」なのです。
また最近ドラッグストアなどで見かける経口補水液は、脱水症状だけでなく水中毒の対策としても薦められています。人間の体液に近い成分で作られた経口補水液には、塩分や糖分が含まれています。ナトリウム濃度はスポーツドリンクの2倍~4倍ほどであるため、水分だけでなく十分な量のナトリウムを摂取することができます。
お気に入りのミネラルウォーターやシリカ水を飲んでる方は、タイミングを決めて「1日に2本飲みきる」と決めておくと良いですね。いつ誰がおちいるか分からない水中毒。水中毒を未然に防ぐためには、原因や症状、対策を知っておくことが大切です。家族だけでなく、身近な人にもその怖さを伝えておくと良いかもしれません。もちろん、体の不調を感じたときには早めに受診し、医師に相談しましょう。まだまだ暑さが続きそうですが、楽しく健康な毎日を過ごしましょう(^^)