春先に倦怠感や疲労感、気分の落ち込みなどといった心身の不調を感じる人は多く、近年では、夏バテならぬ「春バテ」を感じる方も多くなってきたと言われています。
春は一年の中でも寒暖差の大きい季節。日中は暑いぐらい暖かくなったかと思えば、朝晩はまだまだ肌寒さを感じることも多いでしょう。また、暖かな陽気の日が数日間続いたかと思えば、急に冬に逆もどりしたかのように冷え込む日があったりもしてクローゼットの中の季節感が…といった状態になります。
寒暖の差や気圧の差に合わせて、体温調節などを行うのは自律神経の働きです。しかし、春のめまぐるしい気温や気圧の変化には対応が難しく、自律神経の働きが乱れやすいのです。多くの人が春バテを感じるのは、自律神経の乱れが主な原因だといえるでしょう。「春バテ」をしてしまうと、食欲不振や倦怠感などの症状が出てきます。
冬の間は湯船に浸かっていたけど、春になってシャワーで済ませる日が増えてきたという方もいるかもしれません。しかし、春先はまだまだ朝晩冷え込む日も多いもの。ぬるめのお湯にゆっくりと時間をかけて浸かって、血行促進するのが大切です。入浴に長い時間をかける余裕がないという方は、炭酸ガス入りの入浴剤などを使用するのもおすすめ。末端の血流が良くなるため、短時間で体を温めることができます。どうしてもお風呂に浸からない事情があったり時間がない方は血流が多く太い血管が通っている首の後ろを温めると、効率よく全身に血液を行き渡らせることができます。加温用のペットボトルに40度くらいのお湯を入れ、首の後ろに当ててくつろぎます。
また、就寝前、目のまわりを心地よい温度で温めると、短時間で副交感神経が優位になり、脳や体がリラックス。安眠効果や目の疲労回復効果も得られます。水を絞って電子レンジで40度くらいに温めた蒸しタオルを、目の上に当ててくつろぎます。*タオルを電子レンジから取り出すときは、いったんタオル全体を広げて、熱過ぎないかどうかを確認してから使用しましょう。
また、毎朝の白湯も自律神経を整えてくれたり、身体を温めてくれる効果があります。シリカ水を一度沸かして、緩くなるまで待ってゆっくり飲むだけ。冷たい飲み物よりも温かい飲み物を選ぶなど内側から冷えを防ぐ心がけも忘れずに。
春になると冬の間着ていたような厚手のコートやダウンなどを着る機会が減って、薄着になる方が増えます。しかし、日中暖かくても、夜になると冷え込んで寒さを感じる日も多いため、油断せず防寒を意識するのが大切です。ストールや羽織ものなどを活用して、暑さや寒さを調節しやすい服装を心がけ、「寒い!」と感じたり体が冷えたりするのを防ぎましょう。