近頃、よく「薬膳」という言葉を耳にしませんか?大昔からあるものなのですが、ここ近年、美容や健康に敏感な女性にとくに注目されるようになってきました。
薬膳のイメージは、食材がなかなか手に入らないのでは…手間がかかる、高そうな食材を使いそう…と思われがちですが、いつもの食材で簡単に作ることができます。
昔から食材には薬と同じような効能があると考えられてきました。病院に行くほどでもないけれど最近なんだか体の調子が悪かったり、血や気の巡りが悪いなぁと感じる時ってありますよね。いわゆる「未病」といわれる状態。そんな状態の方のほうが多いのではないかとすら思います。そんな時は、じっくり自分の体と向き合ってみましょう。実際、口から摂取したもので私たちの体は成り立っています。身の回りにある食材に目を向けてみると様々な効能を持ったものが数多くあるんです。女性は特に体が冷えたり毎月の生理でイライラしたり、お通じが悪かったり、声を大にするほどでもないけれどなんだか体に不調を感じている人が多いと思います。
薬膳で基本となる考え方の1つに「陰陽」があります。これは太陽が昇って朝が来て、太陽が沈んで夜が始まり1日が終わるように、昼と夜(太陽と月)の移り変わりから生まれた考え方です。
「陰」は夜で、暗い、冷たい、重い、じめじめなどをイメージしてください。「陽」は朝で、明るい、温かい、軽い、乾燥などをイメージしてください。
一般に体を冷やすのは好ましくないと思われがちですが、実は、体は陰と陽どちらに傾いても好ましくありません。陰に傾くと体が冷えて重くなり、節々が痛むようになります。
逆に陽に傾くと肌が乾燥したり、吹き出物が出たりします。体を温める食材、冷やす食材、そのどちらでもない食材を上手に組み合わせることが大切です。
例えば、身体の不調を感じる時に積極的にとっていただきたい食材が、今が旬の山芋です。山芋は、「山の薬」と言われるほど中国では漢方薬の一つとして扱われており、滋養強壮や疲労回復に効果が期待できると言われています。山芋はどこでも手に入りますよね。山芋は「陰陽」とちらでもないので、体を正常な状態に戻してくれます。身体が冷えている場合は温める効果のある陽の食材と合わせたり、火照る場合は冷やす効果のある「陰」の食材と合わせたり、と組み合わせも大事だと言われています。
この季節オススメなのは、山芋と鶏肉のスープに生姜やニンニクを少し入れてみたり。これだけでもう、薬膳料理です。
薬膳でも「水」はすごく重要視されています。お米を炊くお水を、身体に必要なシリカ水に変えるだけでも、立派な薬膳ですし、お水を飲む事は薬膳においても基本です。
身体の状態をよく観察して、今必要な食材を選んで、日々少しずつ「薬膳」を取り入れてみましょう。